~歩行の本質は「立脚中期」を制すること~
1. 歩行は「片足で立つ連続動作」
私たちは歩くとき、常に片足だけで体を支える瞬間があります。
例えば、右足を一歩出すとき、左足はその一瞬だけで体全体を支えています。
この「片足で支える時間」を専門的には 立脚中期(りっきゃくちゅうき) と呼びます。
ここが歩行の安定を決める、いわば「核心部分」なのです。
2. 立脚中期で大切なのは「頭と体幹の位置」
立脚中期で重要なのは、頭と体幹(胴体)が体の一番高い位置=“頂点”にあることです。
- 頭から体幹までが まっすぐ上に伸びるように支える
- 支えている足(麻痺側でも非麻痺側でも)が、支持基底面(足の裏)にしっかり重心を落とす
この二つが噛み合うことで、身体は安定し、次の一歩へスムーズに移行できます。
逆にいうと――
麻痺足の上に 体の中心が乗らないと、体は横に傾き、歩きが不安定 になります。
その結果、
- 歩幅が小さくなる
- 転倒しやすくなる
- 歩行スピードが上がらない
といった「歩行の壁」が立ちはだかるのです。
3. 片足立位エクササイズが必要な理由
片足立位エクササイズは、この「立脚中期で体を支える力」を養うためのトレーニングです。
- 重心を麻痺足に真っ直ぐ乗せる練習
- 頭と体幹を頂点に置く感覚を身につける練習
- 転倒を防ぐバランス反応を強化する練習
これらを繰り返すことで、
「ただなんとなく立つ」から「体を正しく支える」へと変わっていきます。
4. 素人でも分かるイメージ例
歩行の立脚中期をイメージするとき、
「片足で竹馬に乗っている」と考えると分かりやすいです。
竹馬で真っ直ぐ立つには――
- 上半身を天井に向かって伸ばす
- 足の棒の真上に頭と体幹を置く
これを崩すと、すぐにバランスを失って倒れてしまいます。
歩行の立脚中期も同じで、麻痺足の上に頭と体幹が真っ直ぐ乗ることが最重要 なのです。
5. 実際のトレーニングの流れ
- 安全確保:手すりや壁の近くで立つ
- 麻痺足で立ち、もう一方の足を軽く浮かす
- 頭から天井に糸で引っ張られるイメージで、体幹を伸ばす
- 5秒~10秒キープ(慣れたら少しずつ時間を延ばす)
- 毎日数回、継続して行う
6. ご家族の支援が力になる
患者さん自身が「真っ直ぐ立てているか」を判断するのは難しいものです。
そこでご家族は、
- 「今、頭が傾いてないよ」
- 「背筋が伸びてるよ」
と声をかけることで、本人が感覚をつかみやすくなります。
7. まとめ
脳卒中後の歩行改善で大切なのは、「片足で立つ力」=立脚中期を安定させることです。
- 頭と体幹を体の頂点に置き
- 麻痺足の上に真っ直ぐ重心を乗せる
この感覚を養うことが、歩行の安定・転倒予防・生活の自立につながります。
片足立位エクササイズは、そのための「最も基本で、最も効果的なリハビリ」なのです。
ご相談・お問い合わせ
ゆかわ訪問はりきゅうマッサージ
- 住所:札幌市中央区南17条西9丁目2-23-206
- 電話:011-577-1648(営業中は留守録対応)
- メール:info@yukawa-houmon.net
- ホームページ:https://yukawa-houmon.net/
「退院後のリハビリに不安がある」「歩行をもっと安定させたい」など、どうぞお気軽にご相談ください。

コメント