

~歩行の本質は「立脚中期」を制すること~
私たちは歩くとき、常に片足だけで体を支える瞬間があります。
例えば、右足を一歩出すとき、左足はその一瞬だけで体全体を支えています。
この「片足で支える時間」を専門的には 立脚中期(りっきゃくちゅうき) と呼びます。
ここが歩行の安定を決める、いわば「核心部分」なのです。
立脚中期で重要なのは、頭と体幹(胴体)が体の一番高い位置=“頂点”にあることです。
この二つが噛み合うことで、身体は安定し、次の一歩へスムーズに移行できます。
逆にいうと――
麻痺足の上に 体の中心が乗らないと、体は横に傾き、歩きが不安定 になります。
その結果、
といった「歩行の壁」が立ちはだかるのです。
片足立位エクササイズは、この「立脚中期で体を支える力」を養うためのトレーニングです。
これらを繰り返すことで、
「ただなんとなく立つ」から「体を正しく支える」へと変わっていきます。
歩行の立脚中期をイメージするとき、
「片足で竹馬に乗っている」と考えると分かりやすいです。
竹馬で真っ直ぐ立つには――
これを崩すと、すぐにバランスを失って倒れてしまいます。
歩行の立脚中期も同じで、麻痺足の上に頭と体幹が真っ直ぐ乗ることが最重要 なのです。
患者さん自身が「真っ直ぐ立てているか」を判断するのは難しいものです。
そこでご家族は、
と声をかけることで、本人が感覚をつかみやすくなります。
脳卒中後の歩行改善で大切なのは、「片足で立つ力」=立脚中期を安定させることです。
この感覚を養うことが、歩行の安定・転倒予防・生活の自立につながります。
片足立位エクササイズは、そのための「最も基本で、最も効果的なリハビリ」なのです。
ゆかわ訪問はりきゅうマッサージ
「退院後のリハビリに不安がある」「歩行をもっと安定させたい」など、どうぞお気軽にご相談ください。
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