

脳卒中は、ある日突然、人生を大きく変えてしまいます。
倒れた日から、救急搬送、急性期病院での治療、そして回復期のリハビリ。
多くの努力を重ね、ようやく退院。
「家に帰ってこられた」――この一歩は、確かな希望です。
でも、自宅に戻ったその日から、こんな不安も出てくるのではないでしょうか?
本記事では、そんな「退院直後の今」だからこそ必要な、最初のステップをお伝えします。
このような状態の方、またはそのご家族を想定して、具体的な対処法を整理しています。
退院してすぐに「もっと動けるようになりたい」「歩けるようになりたい」と思うのは当然です。
ですが、ここで最も大切な考え方は:
「いまの状態をこれ以上悪化させない」こと
✅ 関節のこわばり(拘縮)
→ 動かない関節を放置すると、どんどん固まり、痛みが出て、着替えや清拭すら難しくなります。
✅ 筋肉の緊張(痙縮)
→ 力が入りすぎた状態が続くと、姿勢が歪み、歩行にも悪影響が出ます。
✅ 二次障害(亜脱臼・褥瘡など)
→ 特に麻痺側の肩が下がると、痛みや亜脱臼を引き起こすことも。
🔸アドバイス:
動かす前に「守る」が基本。医療者や施術者と一緒に、現状維持の方法を確認しましょう。
寝ている時間が長くなると、姿勢の悪さが回復を妨げる要因になります。
「手がだらんと下がっていないか」「身体が傾いていないか」など、姿勢を整える工夫がとても重要です。
🔸補足:
ご家族が1日1回、「姿勢チェック」を一緒に行うだけで、回復スピードが違ってきます。
「退院して様子を見てから」では、少し遅いかもしれません。
在宅でのリハビリは、“始めるタイミングが早いほど、回復のチャンスが増えます”。
訪問マッサージや鍼灸、リハビリスタッフの支援は、医師の同意のもと、健康保険で受けられる場合も多くあります。
🔸効果の一例:
- 拘縮の予防
- 筋肉の緊張緩和
- 痛みの軽減
- 起き上がり・座位・歩行など、日常動作の改善
脳卒中の回復は、「1日で大きく良くなる」ということはほとんどありません。
でも、**“1ヶ月で見たら少し良くなっている”**というケースはたくさんあります。
🔸補足:
「動かなかった手が少しだけ緩んだ」「足が上がる角度が1cm伸びた」
こうした気づきが、希望につながり、継続力になります。
脳卒中の在宅生活は、ご本人だけでなく、ご家族の生活も大きく変わります。
でも、“家族が無理をしすぎると、支援が続かなくなる”ことを知っておいてください。
脳卒中の後遺症があっても、回復のチャンスは毎日の生活の中にあります。
「動かない」「戻らない」と感じるときこそ、
小さな変化に気づき、支援を受けながら一歩ずつ前に進むことが何よりも大切です。
🌱 あなたの人生は、まだ終わっていません。
家という場所で、安心してリハビリを進めていけるよう、私は訪問施術の専門家として、
ご本人とご家族の両方を支え続けます。
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