

~「怒ってごめんね」と言えた日~
脳卒中の後遺症というと、手足の麻痺や歩行困難といった 身体面の障害 に注目しがちです。
しかし実際には、多くの患者さんが 感情のコントロールの難しさ にも悩まされています。
ここで大切な発見は、「リハビリとは身体の回復だけでなく、心の回復も含んでいる」 ということです。
感情を抑えられないとき、「怒るな」と自分に言い聞かせても、うまくいかないことがほとんどです。
そこで役立つのが メタ認知、つまり「自分の感情をひとつ上の視点から観察する力」です。
このシンプルな習慣が、感情を“コントロール不能なもの”から“扱えるもの”へと変えていきます。
感情のリハビリには「真面目さ」だけではなく「遊び心」も効果的です。
深刻な状況でも、ちょっとした笑いやユーモアを取り入れることで、気持ちは軽くなり、リハビリも続けやすくなります。
ある70代の女性は、脳卒中後に感情が抑えられず、家族にしょっちゅう怒鳴ってしまっていました。
「私は前はこんなんじゃなかったのに…」と涙ぐみ、自分を責める毎日。
しかしある日、施術中にこんな気づきを口にしました。
「怒ってるときの私は、“私”じゃないんです」
そしてその日の夕方、孫に対してつい怒ったあと、初めてこう言えたのです。
「さっきは怒ってごめんね」
その瞬間、家族の空気が変わりました。
孫は「おばあちゃんが謝った!」と笑顔になり、家族みんながホッと涙を流しました。
たった一言が、人間関係を修復し、心のリハビリの第一歩となった のです。
感情のリハビリは、筋肉や関節を動かす練習と同じくらい大切です。
そしてその成果は、「できる動作」ではなく「つながる心」として現れます。
ゆかわ訪問はりきゅうマッサージ
「退院後のリハビリに不安がある」「歩行をもっと安定させたい」など、どうぞお気軽にご相談ください。
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