

「今日はリハビリを休みたかった。でも、何もしていない自分が嫌になる──」
脳卒中後の生活は、心身ともに予想以上の負担をともないます。
毎日続けることが素晴らしい。けれど、それが「義務」や「重荷」になってしまうと、
“前に進む力”そのものを失ってしまうことがあります。
では、本当に「がんばり続ける」ことが、唯一の正解なのでしょうか?
メタ認知とは、「自分の考えや感情、行動をひとつ引いた視点から観察する力」。
この視点を持つことで、「がんばれない日=だめな日」という思い込みから自由になれます。
これは単なる言い換えではありません。
脳と身体には、“休むことで回復が進むタイミング”が確実に存在するのです。
ポイント | 説明 |
---|---|
① 神経系の疲労回復 | 動作学習は脳の負担が大きく、過剰な刺激は逆効果になる |
② 筋緊張・痙縮の緩和 | リラックス状態が筋肉の柔軟性を高め、二次障害を予防 |
③ 動機づけの再構築 | 疲弊した意欲に代わって「またやってみよう」が芽生える |
✅「やすむ」「ゆるめる」「ゆだねる」
この3つは、立派なリハビリの一部です。
焦りや罪悪感が湧いてきたときは、次のように分けて観察してみてください。
ここで大事なのは、感情は事実ではないということ。
感情は“波”のように寄せては返すもの。
それに巻き込まれず、ただ見つめてあげることが「回復力」を保つ秘訣です。
リハビリにおいて、「計画的に休む」ことは極めて重要です。
以下に、休息をポジティブに捉えるための行動プランをご紹介します。
スタイル | 内容 | 意図 |
---|---|---|
① リセット休 | リハビリも考えず完全オフ | 情報や刺激からの解放 |
② 軽やか休 | 散歩や深呼吸だけ | 身体をゼロに戻さない |
③ 意識的な手放し | 「何もしない」ことを選ぶ | 自分への信頼とケア |
「今日も何もやっていないように見える」
そう見えても、ご本人は内側で多くのことを感じ、葛藤しています。
だからこそ、沈黙を受け入れる“同席”の姿勢が、支援になるのです。
✔ 言葉ではなく、“そばにいる”という行動が、回復の土台をつくります。
がんばれない日も、何も変わらない日も、
あなたの身体と脳は、静かに、たしかに進んでいます。
回復とは、前だけを向いて歩くことではありません。
ときに足を止め、まわりを見て、自分の声に耳を澄ますことも、立派な一歩です。
「私は、“何もしない自分”を、受け入れることができるだろうか?」
その答えが「はい」になったとき、
あなたはもう、自分自身の最高の支援者になっています。
「メタ認知で変わるリハビリ生活」シリーズ、ここで完結です。
努力することの意味、感じることの大切さ、
そして、「立ち止まること」の価値に気づいていただけたなら──
あなたのリハビリは、すでに“生活”の中に根づいています。
コメント